Match.comにサクラはいるのか?アメリカの連邦取引委員会がサクラの存在を指摘

アプリで出会った夫婦 マッチングアプリ

日本の公正取引委員会にあたる、アメリカの「連邦取引委員会(FTC)」が2019年9月25日に

  • Match.com(マッチドットコム)
  • OKCupid
  • Tinder(ティンダー)
  • PlentyOfFish

などの人気のある出会い系アプリ、マッチングアプリを運営するMatch Group(マッチグループ)を「偽のアカウントを使い課金に誘導している」、つまり日本でいうサクラを使っているとして提訴しました1)FTCの提訴内容はリンク先から確認できます。https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/09/ftc-sues-owner-online-dating-service-matchcom-using-fake-love

マッチグループはサクラなどFTCに指摘された内容を公式ブログで否定しています。Match.comは日本でも利用できるマッチングアプリです。もしMatch.comに本当にサクラがいるとしたら、日本のマッチングアプリ利用者の間でも大きな衝撃が走りそうです。ただ、FTCはあくまでもアメリカのMatch.comに対してのみサクラの存在を指摘しています。日本のMatch.comとは運営体制が異なる可能性あることをふまえて読み進めてください。

アメリカの連邦取引委員会(FTC)の指摘内容

サクラのメールオペレーター

Match.comへ登録するのは男女ともに無料です。しかし、異性の詳細プロフィール確認やメッセージの送信に関しては有料会員のみに限定された機能です。このあたりの仕組みは日本の人気マッチングアプリと同じです。アメリカの連邦取引委員会(FTC)によると、Match.comはこの仕組みを利用し、サクラを使って有料課金へと誘導したと主張しています。

具体的には、Match.comに登録した会員に対して

  • 無料会員登録したら異性からいいね!やメール等が届く
  • 「あなたに興味を持っている人がいる」という広告

このふたつの方法を使い、無料会員を有料会員へ誘導したとFTCは指摘しています。FTCによると、2016年6月から2018年5月までの間に、サクラと考えられるプロフィールからメールを受け取った後、Match.comの有料会員になった人の数は約50万人です2)https://www.buzzfeednews.com/article/clarissajanlim/match-users-ftc-lawsuit-scammers

無料会員登録したら異性からいいね!やメール等が届く

無料会員のままでもMatch.comは登録できますが、機能をフルに利用するためには月額制の有料会員にならなくてはいけません。アメリカFTCはMatch.comがサクラを使い、新規入会会員に対してメールやいいね!を送り、有料会員に誘導したと主張しています。

Match.comは無料で会員登録できます。しかし、異性の詳細プロフィールの閲覧やメッセージの送信は有料会員にしかできません。Match.comはサブスクリプション型のサービスで、有料会員になるためには月額で料金を払う必要があります。

アメリカに住むある男性が恋人が欲しくなり、Match.comに登録してプロフィールを作成したとします(無料会員のままでも自分のプロフィール作成はできます)。登録しても女性の詳細プロフィールの確認やメッセージの送信ができないので、とうぜん誰とも出会えません。そんな状態の中、男性と年齢が近い美しい女性からメッセージが届いたとします。そうしたら、お金を払ってでもメッセージの中身を見たいと思うはずです。FTCはこの「男性と年齢が近い美しい女性」を「偽物のアカウント」、日本風にいうと「サクラ」だと指摘しています。

FTCの主張によると、Match.comに無料会員登録すると、無料会員に対して異性の既存会員から

  • likes(いいね!)
  • favorites(お気に入り)
  • emails(メール)
  • instant messages(インスタントメッセージ)

などの行為が行われているようです。出会い系的なサービスに登録した途端に魅力的な異性からメールが届いたら、お金を払ってでも中身を読みたいと思うのものです。じっさい、日本によくあるサクラがいる出会い系サイトや出会い系アプリではこのような方法を実践し、おおきな収益を生んでいます。

「あなたに興味を持っている人がいる」という広告

FTCの主張によると、Match.comでは無料会員がいいね!やメールを既存会員から受け取ったら、その会員に対して「あなたに興味を持っている人がいる」という広告を出して有料会員化を促しています。もし、メールを送ったりいいね!をした人がサクラだとしたら、確かに悪質な行為です。

Match.comに無料会員して、すぐに異性からメッセージやいいね!を受け取ったら、中には「有料会員になればすぐ出会えるのかな?」と考える人がいるはずです。そのような人に対して、Match.comではサービスのなかに「You caught his eye(あなたは彼の注意を惹きました)」という広告が表示され、有料会員への課金を促している、とのことです。

FTCによると、2016年6月から2018年5月までの間に実在しない人物のプロフィールからメッセージなどを受け取った後、Match.comへ課金した人は50万人近くにのぼります。つまり、サクラ的な会員を使い、50万人もの人に対して有料会員化に成功したということです。

FTCはMatch.comに登録した人の中で、25〜30%にあたるアカウントはさまざまな種類の詐欺を行うためのアカウントだと主張しています。さらに、2013年から2016年の間にユーザーが受け取ったお気に入りやメッセージの半分以上が、不正によるものだと特定されたアカウントからのものであるとも主張しています。もしこれらがすべて意図的なだとしたら、かなり悪質な行為です。しかし、Match.comを運営するマッチグループはFTCの主張を否定しています。

Match.comを運営するマッチグループはFTCの主張を否定

マッチグループの主張

Match.comを運営するマッチグループは公式ブログにて、FTCの主張を「根拠がない」として完全に否定しています。サクラを使って会員を有料会員への誘導しているどころかテクノロジーの力などを駆使して

  • スパム
  • ボット
  • 利用規約に違反した利用者

などを積極的に排除し、顧客満足度を高めていると主張しています。

悪質な会員を排除しておりFTCの主張には根拠がない

マッチグループは、自分たちはサクラを雇うどころか悪質な会員を積極的に排除し、顧客満足度を高めていると主張しています。具体的には

  • 不正だと思われる会員が登録したら、登録から4時間以内に85%の会員がアカウント停止している
  • 不正だと思われる会員が登録したら、登録から24時間以内に96%の会員がアカウント停止している

このように、迅速に悪質な会員を把握し、アカウントを止めてユーザーの被害を予防していると主張しています。

アメリカ連邦取引委員会(FTC)の主張には根拠がないとも主張しています。そもそもFTCが「サクラからの勧誘ではないか」と主張している

  • インスタントメッセージ
  • お気に入り

などの機能はすでに削除されています3)インスタントメッセージは2年以上前、お気に入りは1年以上前に機能を削除済みとのことです。。あわせてマッチグループは、FTCが少ないデータを「チェリーピッキング」、すなわち自分たちに有利なように解釈して訴訟を行なっていると主張しています。

Match.comのサクラ疑惑の真実は訴訟で明かされる

裁判

Match.comを運営するマッチグループはIAC(InterActiveCorp)という会社の傘下で、IACはアメリカの巨大インターネット企業です。マッチグループ自体も株式を上場しており、FTCによる提訴を受けて一時的とはいえ株価が大きく下落しました。マッチグループがこのような状況を看過するはずもなく、訴訟の対策をしっかり行い、法廷でさまざまな主張がやりとりされるでしょう。訴訟の結果次第では、日本で利用できるマッチングアプリにも影響が出るかもしれません。Match.comのサクラ疑惑の進捗は随時確認し、このページで更新する予定です。

引用・脚注   [ + ]

1. FTCの提訴内容はリンク先から確認できます。https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/09/ftc-sues-owner-online-dating-service-matchcom-using-fake-love
2. https://www.buzzfeednews.com/article/clarissajanlim/match-users-ftc-lawsuit-scammers
3. インスタントメッセージは2年以上前、お気に入りは1年以上前に機能を削除済みとのことです。

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